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2024年 5月 9日 【科目別】東大合格勉強法
みなさんこんにちは!
渋谷駅西口校担任助手の戸田と申します。
今日は、理系の東大志望向けに、科目ごとに得点を伸ばすためのコツやお勧めの勉強法について紹介したいと思います!
私は受験生時代の選択科目は物理・化学で、共通テストの社会は地理を選択していました。
まず、東大の問題は、どの科目も確かに難易度も高いですが、同時に基礎をきちんと理解しているかを問われる問題です。そして、全科目(一部選択問題もありますが)記述式の問題です。
二次試験の配点と制限時間は以下の通りです。
英語(文理共通):120点満点、120分(うちリスニングが30分)
大問5つ
国語(理系): 80点満点、100分
大問3つ(現代文40点、古文20点、漢文20点)
※文章は文系の問題と同じで、古文漢文は少し問題数が少ない。
数学(理系): 120点満点、150分
大問6つ
理科: 120点満点、150分
1科目3問。物理・化学・生物・地学から2科目選択。時間配分は自由。
これら5科目の総合点(440点満点)、及び共通テストの圧縮点(110点満点)の合計で合否が決まります。一つ一つの試験時間が長すぎる…数学150分とか耐えられない…と思っている皆さん、私と同じですね。これは、やっていくうちに慣れるしかありません。
共通テストは今年度から新課程になり、1000点満点になるそうですね。さらに科目数や試験時間が増えて大変だと思いますが、共通テストも非常に重要なので、しっかり対策はしましょう。
今回は、二次試験での対策やコツを中心に説明します。
英語
まずは、英語についてです。英語は理系の場合、数学となんと配点が同じです。とても重要な科目です。英語は、実力さえあれば、数学や理科のように問題によって点数が大きく上下することはあまりなく、安定した得点を狙える科目です。なので、今英語が苦手…という人も、東大合格には絶対に英語力は必須なので、頑張りましょう。
東大の英語の特徴は、とにかく問題形式の多さです。基本的に毎年同じような大問構成なのですが、やらなければならないことが多く、逆に一部の私立大学のような、超難しい文章や単語は出ません。どちらかといえば、時間勝負になる場合が多いです。
英文の要約、お題に沿った英作文、和訳、読解、文法の正誤問題、並び替え…本当に色々な問題が出ます。リスニングが二次試験で行われるのは、非常に珍しく、共通テストのリスニングともまた異なるので、その分対策が必要になります。その中で、最も高得点を取れるような戦略・時間配分を身につけることが重要です。
そんな東大英語をできるようにするためには、以下を意識しましょう:
・まずは基本的な単語や文法は完璧にする
これはどの大学でも当たり前ではありますが、とにかく東大英語は時間が足りないので、基本的なところでつまずいている暇はありません。高2のうちに完璧にしておくのが理想です。
・模試や過去問演習を通して、自分なりの時間配分・解く順番を決定する
120分通して演習する練習を行う中で、自分にとって最適な解き方を探しましょう。例えば、最後の長文からやったり、正誤問題は基本的に飛ばしたり、この問題は必ず10分以内にやったり…ここは人それぞれなので、演習回数を重ねるごとに改善していきましょう。
・苦手な問題形式に絞って重点的に演習する
形式の種類が多いので、得意なもの、苦手なものが出てくるはずです。添削指導を受けたり、自分で模範解答を見るなりして、英語力の部分だけでなく、きちんと自分が「点数を取れる」「減点できない」書き方をしているか、確認しましょう。
基本を固められたら、戦略面を磨くための全体を通しての演習、穴をなくし、記述力を上げるための部分的な演習をどちらも行うことで、安定した得点を目指せるようにしましょう!
国語
続いて、国語です。理系なので配点は他の科目に比べて高くないですが、そもそも二次試験で理系が国語をやらなければならないのが珍しいですよね。他の科目ほど時間を割くことはできないですが、1、2点を争う受験では甘くみてはいけません。
東大の国語は、毎年同じような形式で行われます。まず前半の現代文は、評論の文章で、漢字の書き取りが数問、2行問題が数問、120字問題が1問出題されます。記述問題は全て、「なぜか」と「どういうことか」を説明する問題です。それくらい固定されているのです。古文や漢文も、それぞれ現代語訳が3問ほど、説明問題が2問ほどと、毎年ほとんど変わりません。
そこで、国語のコツは以下の通りです。
・漢字、古文の単語・助動詞・敬語、漢文の句形・読み・語彙などといった、共通テスト対策でやるようなことは絶対に完璧にする。
先ほども言いましたが、入試は1、2点を争います。そして、東大国語は必ず全ての大問で基本的な漢字や現代語訳を問われます。ここで点数を落としてはいけません。私が受験生の年は、「滑稽」が書けなくてその1点で不合格になった東大受験生もいました。英語もそうでしたが、とにかく基本を侮らないでください。
・とにかく東大の形式で演習
特に現代文に関しては、字数・行数制限や問題のタイプが毎年同じなので、東大の形式で演習するのが一番です。かなり年度を遡っても形式は変わらないので材料はたくさんあるはずです。とにかく2行問題と120字問題の書き方を身につけましょう。
・たくさん文章を読んで推測力を養う
古文や漢文は、東大の文章である必要はありませんがたくさん初見問題を解くようにしましょう。単語や文法などの基礎知識と、ある程度文章の内容を推測する力が両方あって初めて読めるようになります。たくさん文章を読み経験を積むことで、「多分こういう趣旨の文章なんだろう」「このパターンだ」と思えることが増え、格段に読みやすくなっていきます。
基本事項の勉強は隙間時間にもできるので、英語や理系科目を中心にしながらも、必ず国語にも一定の時間を割くようにしましょう。
数学
数学は特に全大学の中でも最難関レベルと言われています。私自身、数学の実力は、共通テストでは9割を取れていましたが、二次試験では全体の足を引っ張らない程度でした。それでもかなり頑張ったと思っています。東大に合格した人の中でも、6問中2問、3問しか完答できなかった、という人はいくらでもいます。
極端に出題されやすい単元はありませんが、数学IAから数学IIIまで満遍なく出題されるイメージです。難易度はもちろん高いですが、毎年大問によって差は必ず出ます。誰も解けないような問題もあれば、これは解けないと…という問題もあります。その「合否を分ける問題」を解けるかどうかが、数学がそこまで得意ではない人にとっては非常に重要です。
そんな数学を勉強するときに意識して欲しいのは以下の2点です:
・一問から得るものを多く
受験勉強が進むにつれて、どんどん難しい問題を演習することになります。重要なのは、その1問1問を自分の学びに繋げることです。過去問とまでいかなくとも、問題集の応用問題などでも同様です。
例えば、わからなかったらすぐに解答を読むのではなく、まずは解答を隠しながら1行ずつ見ていきましょう。そして、「あ、わかりそう!」と思ったら、そこからは解答を見ずにそのヒントを用いて最後まで自分で解き切ってみましょう。よく、解答を全部読んでわかった気になり、解き直したら全然できなかった、という体験、ありませんか?解答をヒントのように活用すれば、自分がどこでつまずいたのかもわかりやすいですし、その後最後の計算までやり切ることで数学力や思考力は大幅に向上します。最後の計算、絶対にサボらないでください。
他にも、問題を復習する際、その問題の「テーマ」や「一番の壁」みたいなものを意識してみてください。例えば、図形問題で、自分は座標をおいて解いたが、本当はベクトルでやった方がやりやすかった、みたいなことがよくあると思います。図形問題は、座標・ベクトル・三角関数・〇〇の定理など、さまざまなアプローチ方法がありますよね。その中で最適な方法を見つけなければなりません。その問題の「肝」を把握できることが、その問題を理解するということです。その「肝」における考え方は、一見全く違う別の問題でも活かせることがありません。ぜひそれを意識して復習してみてください。復習ノートにその「テーマ」を書いておいて、模試前などに見返せば、使える時が来るかもしれません。
どんなに難しい問題でも、ステップごとに分解すれば必ずできることの連続です。その次のステップに行くための考え方が難しいのです。その思考力を養うために、1問1問からなるべく多くのことを学びましょう。
・問題を見極める能力を上げる
とはいえ、6問全て解くというのは非現実的です。本番では取捨選択が必要です。なので、過去問演習を通して、時間配分の練習もしましょう。どの問題で完答を目指すのか、どの問題は(1)のみ解いて部分点を目指すのか、どの問題は捨てるのか…その判断力も非常に大切です。それは、東大形式の演習を通して身につけるしかありません。先ほども言った、「合否を分ける問題」を早めに把握して、時間と使ってでも解き切れるようにしましょう。復習をする際も、もちろん全問理解に努めつつ、本番だったらこれは解けないとな、これはまあ仕方ないかな…などと意識することもお勧めします。
数学は、東大志望であればめちゃめちゃ得意な人もいるでしょう。そういう方達はどんどん点数を稼いでしまってください。しかし、そうでない人も、最低これくらいは取れる!と言えるまで諦めず演習を続けてください。
物理
続いて物理です。東大物理は、基本的に第1問が力学、第2問が電磁気、第3問が熱力学もしくは波動という構成です。一部原子物理が出題されることもありますし、複数の単元が融合されていた年度もありますが、原則同じような形式です。
東大物理は「難しい」という声が多いです。計算がものすごく大変なわけではないですが、初めて見るような現象を、うまく問題の誘導に乗っかって知っている事柄に当てはめて解いていく、という形です。そのため、本質を理解していないと、訳のわからないままあっという間に試験時間は過ぎていきます。
東大物理の対策のコツは以下の通りです:
・本質を理解する
いやそりゃそうだろ、と思う気持ちはわかりますが、とにかく東大物理は本質を理解していないとできません。公式を覚えているだけでは、東大の先生が出題する現象への当てはめ方がわかりません。下手すると、1問目の(2)からできない…という絶望的な状況になってしまいます。物理は講師や先生によっても教え方が異なったりするので、自分に合った教え方を見つけ、基本問題で計算に慣れつつ、公式が何を意味しているのか理解することに努めましょう。例えば、単振動で出てくるフックの法則 f = -kxのマイナスやkの意味、説明できますか?kはばね定数だけじゃないんです。私も高2の頃はできませんでした。そういった本質を理解できていないと、太刀打ちできない問題が多く出てきます。
・もう1科目との兼ね合いや時間配分に気をつける
理科は、2科目を150分で解くので、得意科目がある人はそちらにより多くの時間をかける場合もあります。物理は年度によって難易度に差があると言われていますし、大問ごとでも違うので、時間配分は非常に大切です。おそらく各大問の前半部分は解ける人が多いので、そこはある程度時間をかけてでもしっかりミスなく解き切る、後半部分はできそうなものから解く、などといった戦略は過去問や模試を通して鍛えましょう。
同時に、他の理科の科目に比べて問題数や計算・記述量がものすごく多いわけではないので、得意な人はかなりの点数を稼げるはずです。そういう方は、どんどん点数を伸ばしていきましょう!
化学
東大化学の特徴は、その圧倒的問題量です。ページをめくってもめくっても問題が出てくる錯覚に陥るくらいです。これを75分間で全て解ける人はまずいないでしょう。
物理同様、教科書には載っていないような現象について、知っていることを使って解かせることが多いです。単元についても、しっかい理論・無機・有機満遍なく出ますし、少しマイナーな範囲(例えば高分子など)が出る年度もあります。なるべく苦手分野を減らすことが大切です。
ただ、問題数が多いので、ほとんどの問題は1、2点配点です。そのため、できる問題から選んで解けば、物理よりも点数が安定する人は多いでしょう。
化学のコツは以下の通りです:
・とにかく演習量を確保し、全体的な化学のレベルの向上を目指す
化学はとにかく範囲が膨大で、計算・暗記・思考全てが求められます。しかし、それはほとんど全て「暗記」に変換することができます。え、暗記が嫌で理系になったのに…と思ったそこのあなた。暗記といっても、「覚えようとして覚える暗記」ではなく、「やり過ぎて覚えてしまう暗記」です。問題集なり、演習の講座なり、過去問なりをとにかく繰り返しやりましょう。絶対に1回目は解けないことが多いです。2回目、3回目、それ以上演習することで、こういう問題はこういう式を立てるんだ、有効数字2桁だからここの計算はサボっていいな、構造決定の問題でこの現象が出てきたら絶対この物質が関わってる、この説明問題はこのポイント押さえていれば大丈夫だ…そう反射的にわかってしまうくらい演習してください。苦手な単元もしっかり演習して、とにかく時間さえあれば全て解けるくらいのレベルに到達することが理想です。
・時間配分と取捨選択の練習をする
時間さえあれば解けるレベルになれば、あとは取捨選択です。化学の問題はおそらく1問1、2点です。単なる基礎知識の穴埋めでも、どんなに面倒な計算でも、配点はほとんど変わりません。時間内に最大限得点を伸ばせるように、過去問演習や模試を通して時間配分に慣れていきましょう。大問1つが3部くらいに分かれていることも多いので、多少白紙の部分があっても、できそうなところからどんどん解いていけばある程度の点数は取れるようになります。理科が本当に伸びてくるのは、現役生は2学期以降のことが多いので、夏休みまではとにかくインプットと演習と通して学力を上げることを意識してください。
いかがでしたか?少し盛りだくさんになってしまいましたが、以上のようなことを意識しながら各科目頑張りましょう!理系国公立志望は科目数が多くて本当に大変だと思います。うまく自分なりの配分を考えて、たとえものすごく得意な科目がなくとも、総合力で合格を勝ち取れるよう、工夫してみてくださいね。応援しています!